自分の体験したこと

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郵便局の年賀状仕分けのアルバイト

 このアルバイトは大学時代にも2回やったが、このブログでは30代半ばの時にやったことを中心に書きます。

 大学時代の時は、壁に小さく区切られた箱があり、郵便番号別、又は地域別に仕切ってあった。高校生は郵便番号別に仕分けし、大学生以上の人は地域別に仕分けしなければならなかった。郵便番号別に仕分けする方が楽なので私はその仕事を好んで選んだ。大学生の時は、やりたい場所を自分で選べられた。時間帯も基本は高校生は朝の9時から午後4時まで、大学生以上は午後1時から8時までとなっていたが、正月以降は出勤さえすれば良く、時間帯は9時からでもよかったので私は9時から出勤した。

 しかし、30代の時は前とは随分変わっていた。出勤時間帯も厳守で勝手に9時に変えることは許されなかったし、働く場所も勝手に変えられなかった。30代の時は壁の箱に年賀状を入れるのではなく、鉄製の仕分け台の箱に年賀状を入れるようになっていた。地域別に仕分けするのではなく、各家庭か更に小さい地域に仕分けするようになっていた。このアルバイトはこの地域でこの台を使用というように決められてしまっていたので勝手に台を変えたりできなかった。アルバイトごとに担当地域が決められていたのでズルもしづらかった。

 上記で話したとおり大学時代は勝手に働く場所を選ぶことができたので、好きな子同士となりに立ってしゃべりながら仕事が出来たが、30代の時は働く台が決められていたので皆黙って真面目に仕事をした。大学時代はアルバイトの前半は気の合う子と雑談しながら仕事をしたが、話相手が1人2人と途中で辞めてしまったので半ば以降は1人で黙々と仕事をした。

 大学時代の時は正月の時期に出勤するとお菓子がもらえた。大きい袋に色んなお菓子が入っていた。30代の時はいくら正月の時期に出勤しても何ももらえなかったので、少し寂しかった。

 話を30代に戻します。仕事をしている時、背もたれのない丸くて高い椅子が目に付いた。座って仕分けするために置いてあった。ほんの一瞬だけ私はその椅子を使用した。そしたら、上のスタッフ(50代くらいの女性)に「これは正社員の人が使うものだから使わないで」と注意された。

 ある日、高校生のアルバイトの女の子が例の椅子に座って仕分けしているのが目についた。私はその子の側に行ってその子の側のスタッフ(アルバイトか正社員かは覚えていません)に「何であの子は座ってやっているの! 正社員以外は立ってやるはずと私は注意されたけど、どういうこと!」と噛みついた。高校生の女の子は私の怒鳴り声にびびり、顔を下に向けた。そのスタッフは、「腰が痛いと言うから・・・」と言い訳した。私はえこひいきや理不尽なことには黙ってはいられない性格である。

 椅子のことで大声で文句を言ってしばらくか何時間か後、更に上のスタッフ(50代くらいの男性。多分採用担当者だったと思う)に「座りたければ座っていいよ」と例の椅子を差し出された。その上司の圧力に怖じ気づき、「結構です」と断るより仕方なかった。今だったら堂々として「ありがとうございます」と座ってやったでしょう。例の高校生の女の子は、私が大声で文句を言った次の日から来なくなった。

 私はいつでも、どこでも悪者扱いをされてしまう。元々50代の女性スタッフが私に椅子を使うな」と注意しなければこんな大事にはならなかったのに・・・。

医療事務スクール③

■AAさんについて

 まだ17、8歳の子供という事もあり、言いたい事を何でもずげずげ言って来るので本当に癪に障ってしょうがなかった。彼女は、遠回しにモノを言う事をしなかった。私は、遠回しに言われれば気が付かずにいるか、あるいは気が付いたとしてもそれ程腹を立てない。しかし、そのままずばり言われるとカァーとなってしまう。

 AAさんの言葉で特に気に障ったのは次の通りである。その⑴窓等の開閉について講師にぐずぐず言っていたら、「文句ばっかり」と言われた。その⑵あまりにも窓等を閉めたがるので、「暑くてたまらない、空気が悪い!」と言われた。⑴、⑵番とは違う時だが窓の開閉について不平を言っていた時、私は「空気清浄機を置けばいいのに!」と言った。そしたら、「じゃぁ家から持って来たら!」と言われた。その⑶私がA講師について色々一人で文句言っている時に、「~という『日本語』が分からないのかねぇ」と言った。そしたら「そっちこそ日本語を勉強したら」と言われた。AAさんは日頃からA講師に可愛いがられていたので、やたらとA講師の方を持った。

 その⑷医療事務検定の午後の試験問題が配られた時、私は試験問題を見た。本当は見ていけなかったけど。試験管に聞こえるような声で、「あっ! 見た!」と言われた。私は知らん顔をした。もし試験管に何か言われたら当然否定するところだった。

 AAさんは中卒である。だからよっぽどその事を持ち出してやろうかと思ったがぐっと堪えた。なぜなら、A講師やKさんの耳に入ったら強制退校させられると思ったからである。中学校しか出ていない癖に大卒の私に色々言って来た。一体どういうつもりだろう? ⑴自分は中学校しか出ていないからそのひがみで私に色々言ったのだろうか? ⑵自分の立場が分かっていないマヌケ? よく分からない。

 彼女は、人の事をバカにする割には至らないところが結構あった。⑴職務経歴書の書き方の授業の時、講師が「ワード」を使うといい」と言った。そしたらAAさんは、「ワードの使い方が分かりません」と講師に相談した。私も彼女の年の時はワードの使い方が分からなかったが、まだ家庭にパソコンが普及していなかったから仕方がない。家にインターネットを接続してあるパソコンがあるにもかかわらず何で「ワード」の使い方が分からないのだろう? ⑵私の聞き間違いなのか、AAさんが冗談で言ったのかよく分からないが、彼女は掛け算の九九が分からない。九九も出来ないでよく授業について行けるものだわと思った。本編で述べたように私は、授業のスピードについて行くのに悪戦苦闘した。一方彼女は、普通に授業について行った。算定のスピードは私よりうんと早かった。計算機を叩くスピード、診療報酬の点数表や薬価点数表を調べるスピードも私よりはるかに速かった。とにかく不思議な人だった。

 

■Hさんについて

 彼女が一番授業の覚えが早かった。算定も一番早かった。算定問題が出来上がる度に「てってれーー!」と言って一人で喜んだ。まるで小さな子供みたいだったが、この「てってれーー!」という声が癪に障ってしょうがなかった。こっちはまだ一生懸命計算している途中なのにそんな訳の分からない声を出されると余計に出来なくなってしまう。現在の知恵があれば、「彼女の声がうるさい。まだ算定をしている人の妨げになるので、止めるように言って下さい」と講座責任者のKさんに苦情を言っただろう。

 医療事務検定の日もHさんと争いをした。平成28年の6月の中旬か下旬だったと思う。午前中の試験で扇風機を使用したが、この風が不快でしょうがなかった。紙も揺れてうっとうしかった。午後の試験が始まる前に私は試験管に、「扇風機は使わないで欲しい!」と言った。Hさんは使いたがった。試験管は、「では、後ろのドアを開けます」と言った。私は、「外の音がうるさいのでそれは困ります!」と言った。皆は「暑い!」と文句を言った。試験管は扇風機のスイッチを入れた。私は大きくきつい声で、「扇風機の使用はやめて頂きたい! こんな状態では午後の試験を始められそうにないですね!」と言った。試験管は一瞬戸惑ったが、「では、扇風機をここに置いて青いさんには一切風が行かないようにします(もちろん、ドアは閉めた)」と皆に言った。それで丸く収まった。無事試験は終了した。

 

 授業について行けず、色々苦労したが、試験には両方とも合格した(試験問題を見たのが利いた。どの内臓の部位の問題かをパッと確認して急いで本を確認した。試験は2種類あった。あまり、分からないところにこだわるとそれ以降前に進まないので、分からないと所は飛ばして分かる所だけ一生懸命やるというのも試験テクニックの一つですし、色んな勉強に通じると思います。

医療事務スクール②

 

 このスクールの受講生は、子供の喧嘩やいじめのように、言いたい事を何でもかんでもはっきり言う人が多かったので本当に遣り辛かった。その当時私は47歳だった。17、8歳の小娘や20代の半ばなら、普通は47歳の人に向かってモノ言わないと思うがねぇ。年配者に対しての遠慮が全然なかった。

 同年代の受講生Tさん(私より1年年下)も色々うるさかった。その⑴「水を触ると手が痛いので、雑巾は給湯室でゆすがせて下さい」とKさんに話した。そしたらKさんに「それでは、拭き掃除以外の事をやって下さい」と言われた。朝一番、スクールに来た時は、私はいつも自分の机だけは自ら進んで拭いていた。目薬をさす為に机の上は常に清潔にしたかった。ある日の掃除の時間、Tさんに、「いつも自分の机は水でゆすいだ雑巾で拭いているんだから、拭き掃除だって出来るでしょ」と突かれた。一挙手一投足、ジロジロと嫌な感じ。好きで雑巾を水でゆすいでいるのではなかった。自分の机を拭く時も本当はお湯を使ってやりたかったが、AAさんやA講師がうるさいので仕方なく無理して水を使っただけである。「出来る」のと無理してやっているのとは大違いである。その事を理解してもらえなかったので実に残念だった。

 その⑵あんまり皆が色々うるさいので、「このメンバーは上下関係がなく、皆平等である。しかし私は47歳だ。人生の先輩だから少しは遠慮すべきだ!」と皆に怒った。そしたら、Tさんに、「そんな先輩はいりません!」と言われた。「あー言や、こー言う」で本当にうっとうしくてしょうがなかった。

 このスクールの講師らは授業中、「分からない事はスマホで検索して下さい」とか、「何々についてもう少し詳しく知りたい方はネットで検索して下さい」等、やたらと「ネット検索」という言葉を使っていたので、その度に神経に触った。ある時我慢出来ず、「中にはそういう環境がない人もいるんだから「ネット検索」という言い方はやめて頂きたい!」とA講師に噛みついた。そしたらA講師は、「ネット検索なんて今じゃ当たり前ですよ。何かを調べたい時、青いさんはどうするのですか?」と嫌みを言った。私は、「図書館や電子辞書を利用します!」と答えた。続けて「とにかく、そういう言い方は困ります! だいたい、仕事もしていないのにそんな物を持っている方がおかしい!」と強い口調で言った。

 入校当初から腹が立ってしょうがなかった。ガイダンスの時、事務所の男性スタッフが、「電話が大変込み合いますので、遅刻や欠席等で事務所に連絡する際には、メールでお願いします」と言った時も面白くなかった。「受給者の分際で、スマホやインターネット接続環境を持つなんて非常識だ。受給していない私だってそんな物持っていないのに!」と日頃から他の受講生が憎たらしくてしょうがなかった。

 先述したが、その当時は今よりかなりやせていたので、冷え性が酷かった。教室や電車内でも手袋をはめていなければならない程だった。当然、窓やドアを開けられれば応える訳である。このスクールの方針は、換気の為授業以外の時はドアや窓を開ける事になっていた。古いビルの為、自動換気の設備はなかった。A講師を含めて色んな講師に、「窓を開けると寒い、気分が悪くなる」等と言った。その度に嫌な顔された。おまけに、教室のビルのすぐ傍には高速道路があったので、窓を開けられると余計に車が走る音が気になった。講師やKさんに自分の事情を何回も話したが、「ひざ掛けを持参したら」とか「もっと厚着して来たら」等と言われ、全然配慮してもらえなかった。休み時間中で講師がいない時は、窓等を閉めた。私がトイレ等で教室を離れている最中に他の受講生に開けられた。腹を立ててまた閉めた。このように、日頃から窓等の開閉について皆と揉めた。

 平成28年5月25日、Hさんがしつこく後ろのドアを開けて来た。何回も「開ける」、「閉める」のやりあいをした。カァーとなって、力任せにドアを「バッシーン」と閉めた。そしたら、Hさんの手が少し挟まってしまった。その日の帰宅後、Kさんから電話がかかって来て「今日の昼休み何があったの? 青いさんが暴力を振るったとTさんから連絡があった」と言って来た。事の経緯を詳しく説明した。授業の進行についての不満もあり結局医療事務講座を自主退校した。とは言っても実際は「強制退校」させられたようなものである。喧嘩両成敗のはずなのに、私だけが罰せられてしまった。

医療事務スクール①

 N社を辞めてから再就職先がなかなか見つからなかったので職業訓練として特定求職者給付金付きの「医療事務」講座を受講した。入校当時は、私を含めて7人の受講生がいた。左の列に3人、右の列に4人いた。私は左の列にいた。意外な事にこの講座では「掃除当番」というものがあった。男性の事務スタッフは、「毎週金曜日にこの教室の掃除をしてください。左右の列で交代でやって下さい」と言った。私はそのスタッフに、「右の列は4人で掃除をするのに、こっち(左)の列は3人で掃除をするのですか?」と尋ねた。スタッフは「はい」と言った。私が「そんなの不公平だ!」と文句を言ったらA講師にじろっと睨まれた。スタッフは「何も椅子を机の上に乗せてまでやれと言っている訳でないから。ただ、黒板と机を拭いて下を履くだけだから・・・」と穏やかに言った。けれども、私はどうしても納得出来なかった。数日後、右の列の受講生の一人が辞めた。講座が始まってから初めての金曜日、A講師はこんな嫌味を言った。「左の列の人は今日、掃除をして下さい。3人ずつの交代だから問題ないと思います」と。

 理不尽な事については黙っていられない。たとえ黙っていたとしても、その怒りが態度に出てしまう。特定求職者の給付金は、世帯全体の貯金額が300万円以下の者が受給出来る。残念ながら私は両親と同居しているので受給出来なかった。私以外の受講生は皆受給していた。受給出来なかった人がもう一人いたがつわりが酷くて途中で辞めた。

 この給付金を不正受給しているらしき者がいた。普段の言動、身なりや持ち物を考えると、「虚偽の申請をしたんじゃない?」と疑いたくなるような人が2人いた。20代半ばの女性Hさんと17、8歳の小娘AAさんである。2人共スマホを持っていたし、家ではインターネットを接続していた。特にAAさんが怪しかった。なぜなら、シャネルやルィビトン等のDCブランド品を幾つも持っていたからだ。だから、どうしても気になってしょうがなかった。講座が始まって間もない頃、「きちんと規定通りに申請した?」と主にこの2人に向かって言った。ある日突然、講座責任者のKさんに呼び出されて、「皆に虚偽の申請だの、不正受給だのって言っちゃ駄目だよ。気を付けなさい」と注意された。しかし、「虚偽の申請」や「不正受給」なんて言葉を使った覚えはなかった。言い忘れたが、HさんとAAさんは母親と同居していて一人暮らしではなかった。

 上記の事があってからちょっと喧嘩をするとすぐ事務所に報告されるようになった。最も悪質なのは、皆と言い合っている最中にメールで「青いさんが暴言を吐いている」と事務所に連絡された事である。その時Kさんが教室に駆けつけて「青いさん、どうしたの?」と圧力をかけられた。いつも私だけが悪者扱いされた。

 これを書いているうちに小学校3年生の時の学級会いじめを思い出した。学級会になる度に一方的に『私は青いさんに○○された』、『私は青いさんに△△された』と発言された。担任の教師は真相を確認したり、やった理由を私に訊いたりする事は一切せず、体罰を課した。それを面白がって、皆はある事ない事何でも発言するようになった。時には、わざと私が悪さするように仕向ける事もあった。ある子が「青いさんの暴力について」を議題にした事をきっかけに学級会いじめが始まった。夜や明け方寝ている時に度々心臓が痛くて苦しくなった。この症状はこのスクールに通っている間中ずっと続いた。

 学校(小学校から高校)や職場と同様に一挙手一投足、周囲の人にジロジロ見られ、色々文句や小言を言われた。掃除の時間に、Hさんに「全然掃けていない」と言われた。そして、AAさんには、「どこそこは拭いたの?」とか「給湯室で雑巾をゆすいでは駄目だよ」等と言われた。AAさんとHさんとはよく言い争いをした。相手が私より30年や20数年年下だったので癪に障ってしょうがなかった。雑巾を給湯室でゆすぐ事についてAAさんと喧嘩している最中に、A講師がやって来た。A講師はAAさんの味方をし、私だけが怒られた。年を取って来ると、冬に手が水に触れると「痛い」という事が起きる。その当時(47歳)は、今よりかなりやせていたので今より余計に痛かった。このスクールでは、特別配慮がなく本当に苦労した。

 短期間で膨大な量のカリキュラムをこなさなければならなかったので、授業の進行が非常に速かった。それで授業中、度々講師に質問をした。きつい性格のA講師は、「授業中に質問しないで!」、「そんな事まで説明しなければならないの!」、「何から何まで!子供じゃあるまいし」等私自身を否定するような嫌な言い方をしょっ中した。その他、(板書をしている時に言った言葉)「これは、青いさんの為に書いてあげているんだよ。本当はこんな事を書く必要はないんだけど」と言われた。

 介護算定の授業中、ある特定の事が全然理解出来なかったので、何回も同じ事をB講師に聞いた。「それで結局このサービス料は算定しなくていいのですか? つまりこの分はタダという事ですか?」といった具合に質問していたら、Hさんに、「個人的な質問は授業が終わってからにして!」と口を挟まれた。「人が一生懸命習おうとしているのに、邪魔するな!」と彼女に怒ったら、AAさんに「皆とっくに理解している!」と侮辱された。今の内容が理解出来ていないのに、次の事を習うのが苦痛でたまらなかった。

自動車合宿 フルバージョン

 すでに「自動車合宿」は、いつものブログ「私の独り言」で公開してあるが、今回はフルバージョンを公開します。30歳になったばかりのことです。

 

 平成10年12月の終わりから平成11年2月1日まで、鳥取県へ自動車合宿に行った。寮では他の学生とよく喧嘩をした。携帯電話の会話(この頃はガラケー主流だった)、仲間同士の話し声、友達同士喋りながら風呂に入る音、その他の生活音が苦痛でしょうがなかった。煙草の臭いも我慢できなかった。しょっ中「うるさい! 静かにして」、「室内で煙草を吸うな!」などと文句を言った。彼女たちは「共同生活だから」と言いわけしたり、「そんなに嫌ならホテルに移れば!」と反抗したりした。あまりにも生意気な女子高生に腹を立て、暴力を振るってしまったことがあった。

 他にも不満があった。部屋中、落書きだらけで落ち着かなかった。隙間という隙間は落書きで埋め尽くされていた。また、野良猫が頻繁に自分の部屋に入って来るので気持ち悪かった。自分の布団の中にいることもあった。部屋には非常用のボタンがあった。あるとき、それを押して猫のことを話したら「明日事務所に言いなさい!」と厳しい口調で言われた。「猫が来て困っているんです!」と言い張ったが、相手にしてもらえなかった。聞き覚えのある声だった。どうも教官が交代で宿直をしているようだった。仕方がないので、猫が部屋にいるときは何かを投げたり棒で突いたりして追い払った。

 この学校では、以前、自転車や電気ポットの貸し出しをしていた。けれども、今はそういうことはしなくなったので不満でしょうがなかった。「同じ料金を払っているのに不公平だ! 喉が渇いてたまらない。必要な物を買いに行けない!」などとよく事務所にグズグズ文句を言った。あまりにも度が過ぎていたので、事務所の責任者はとうとう怒り出してしまった。「もう帰ってもらうよ!」と言われた。その後、他の学生とトラブルが絶えないことも指摘された。合宿業者にもしょっ中不平不満をたらたらとこぼしていたので嫌がられていた。

 食事の量が足りず自動車合宿内の食堂のおばさん、Aさんに何回か文句を言った。ある日、カレーライスの大盛りを注文した。大盛りは100円追加だった。それなのに、普通盛りとほとんど変わらなかったのでAさんに苦情を言った。料金はそれ以上払わずにもう一杯よそってもらった。

 それ以降、Aさんに辛く当たられるようになった。私はいつも朝の8時きっかりに食堂に入るようにしていた。授業は9時から始まるので、ゆっくり朝食を摂る時間が欲しかった。あるとき、「そんなに早く来られても準備できない!」と文句を言われた。「食堂は朝の8時から始まるのに何で8時に来ていけないの!」と腹が立った。別のあるときは、「食事が終わったら椅子を中に入れておきなさい」と怒られた。「客に向かって何だ! その態度は!」と思った。顔を見れば言い掛かりばかりつけられた。しかし、この間事務所の責任者にきつく警告されたので、Aさんの接客態度を事務所に文句言っていくわけにはいかなかった。Aさんに何を言われてもただ黙って耐えるよりしょうがなかった。

 寮の部屋には水道がなかった。この寮に来たばばかりの頃、部屋に水道がないことについても文句を言った。仕方がないので母親に水筒を送ってもらって、毎日A食堂にお茶をもらいに行った。なぜなら、Aさんに嫌われる前、「毎日お茶をもらいに来てもいいですか?」と尋ねたら「いい」と言われたので。お茶は最後の最後の日までもらいに行った。どんなに嫌な顔をされても、どんなに嫌なことを言われても……

 食券が利用できる飲食店は合宿外にもあった。たまには外で食べようと思い、あるお好み焼き屋さんに入った。食事の後、おばさんに「〇円払って下さい」と言われ一瞬戸惑った。「何でお金を払うのですか? さっき食券を使えると言ったのに!」と文句を言った。そしたら、「不足分を頂きます」と言われた。合宿外でも、A食堂と同様に、食券を出せばタダで食べられると思っていたので実に不愉快だった。

 A食堂は、荷物宅配便の集荷場でもあった。帰るとき、Aさんに「この荷物はどこに置けばいいですか?」と尋ねた。Aさんは椅子を数台並べてその上に寝転がっていた。その姿を見る度に「だらしないぁ!」、「うっとうしいなぁ!」と思っていた。Aさんは苦々しい顔で「その辺に置いといて!」と言った。「ちゃんと丁寧に言ったのに何だ! その態度は!」とはらわたが煮えくり返った。腹いせに「何だぁ! 糞ババアー!」などと暴言を吐き捨てその場を後にした。

中高年の再就職セミナー

 35歳の時の話です。

 平成16年の3月、「中高年の再就職セミナー」を受講した。就職に不利な中高年がデスクワークに就ける方法を教える目的のセミナーだった。カリュキュラムは、応募書類の書き方の説明、グループディスカッション、面接シミュレーション、スローガンの作成だった。グループワーク中心の授業だったので、言いたいことをどんどん言った。「日本の会社は定時で帰る人をとつまはじきにする」、「会社の人は常に口煩い」、前社(P社)の悪口など、しょっ中愚痴をこぼしていた。あまりにも度が過ぎていたので「もう起業するよりしょうがないよ」と怒り出す受講生(Sさん)もいた。自分だって日頃から「面接中に面接官が煙草を吸っていた。こんな会社こっちからお断りだ」のように転職活動についての不満をたらたらと言っているくせして、人のことばっかり非難すると腹が立った。他にも「太っていると思うなら痩せる努力すればいいのに」とか「マイナス思考だ」などと脇から口を挟まれ癇に障っていた。

 グループディスカッションの最中に「S社のNさんは、自分が先輩だからといって私に洗い物や掃除などの雑務を押し付けた。先に入社しただけなのに何が偉いんだ! 人間は皆平等なのに! 人に余分な雑務を押し付けといて事務処理が遅いとぬかしやがった!」、「女性だけに掃除やお茶くみをさせるのは男尊女卑だ」などと言った。そしたら、50代の男性Aさんが、「私は皆より朝早く出勤して女性事務員の机を拭いていました。いつも色々やってくれているという気持ちで掃除をしていました」と言ってきた。「何が言いたいのだろう? うるさいなぁ」と思った。そして、「会社の人はわざととミスしたわけでないのにガミガミと怒る。ミスが多いと紙とインクが無駄になると怒る上司もいた」と文句を言ったら、今度は「今日10個のミスをしたのなら明日は9個になるように頑張ろうという風に、毎日一つずつミスを減らすように努力していけばいい」と言ってきた。「仕事が長続きしないのでスキルが身についていない。美点やセールスポイントがない。応募書類に書くことがない」と言ったときは、「些細な時間を見つけてはゴミを拾うなど、常に事務所を清潔に保つように心掛けていました、事務経費節減のためにミスをしないように細心の注意を払ってきましたなどもいいじゃない」と言ってきた。Aさんはいかにも「私は人生の先輩ですよ」と言わんばかりに色々お節介を焼いてきた。人にそこまで言えるならわざわざこんなところに来なくてもいいのにと思っていた。

 面接シミュレーションでは受講生が面接者、被面接者の役をやった。このシミュレーションでは「欠点」、「不得意なこと」などマイナスに関することは質問しないことになっていた。一人が被面接者役を終えると面接者役の人がその人に何かアドバイスすることになっていた。「ジェスチャーを使わないように」とアドバイスされたことがあった。別のシミュレーションのとき、興奮しすぎて、つい「日本の会社では終業時刻後、いつまでもデスクにへばりついているのが美徳とされていますが御社はいかかでしょうか?」と発言してしまったことがあった。そのシミュレーションの後、面接官役の受講生(50代の男性Bさん)に「私なら雇いたくないね。仕事をやろうとする姿勢が全く感じられない」と痛烈に非難されてしまった。

 私がSさんの面接官役をやったとき、Sさんの神経を逆撫でするような質問をいくつかした。普段からSさんにはムカついていたのでついそうなってしまった。「欠点は何ですか?」と尋ねた途端に急にキレ出し「欠点は聞かないことになっているのに!」と食って掛かってきた。私も負けずに「婚活のとき職がないとかっこ悪いと言っていたが、仕事は飾りのためにするんじゃない! 仕事の心構えが成っていない! そんな人、私なら雇いたくない!」などと言い返した。Sさんの売り言葉をきっかけに、彼女の普段の言動についての怒りをその場でぶつけた。「あんたなんかに雇ってもらわなくても結構、デブ!」と罵られたとき、逆上してしまい大声で悪態ついた。Sさんが窓の方を見て、「ここから飛び降りろ!」と挑発してきたときは「うるさい! てめえが飛び降りろ!」と怒鳴った。お互い取り乱して罵倒し合っているうちに講師とスタッフが止めに来た。講師らが止めたにも関わらず、Sさんは執念深くいつまででもブツブツ悪態をついてきた。面白くなかったのでその日の昼休み、私の隣の席の人にグズグズとSさんの悪口を話した。

 喧嘩になる前から、私は昼休みになるとはCさん(Sさんの隣の席の人)に彼女の悪口を色々話した。「どうせ母親の仕送りで生活しているなら仕事なんか探さなくていいのに」とか「複数の人と付き合うなんて身持ち悪い」などと。

 セミナーが始まったばかりの頃、SさんやCさんとお茶を1、2回飲んだことがあった。そのときSさんは、「ある人からこの婚約指輪をもらったが迷いがあるので別の人を探している」と話した。それを聞いてムッとした。別のときは「今、会社経営者の人と付き合っているが、彼は年収1000万だと言っていた。しかし、どうも怪しい。探偵事務所で働いている知り合いに調べてもらおう」と話した。その話を聞かされたときは「何様だ!」と更に腹が立った。日頃から「お見合いなんて条件のぶつけ合いだ」とか「年収が全て」などと言っていたので、「鼻持ちならない俗物め!」と腹を立てていた。とにかくSさんの言うこと成すこと全て小生意気で癪に障ってしょうがなかった。余談であるが、私はその当時、「冬のソナタ」にはまっていた。だから、Sさんの俗物根性を余計に不快に感じたのだろう。

 Sさんとやり合った日の午後からは、グループで再就職に向けての決意、目標、心構えなどをテーマにしたスローガンを作成することになった。「何でポスターなんか作らなければならないの? 小学生や中学生じゃあるまいし、とろくさい。こんなくだらないことで時間を費やすぐいならまぁ帰ろうか」と思い、駄目元でA講師に「個別相談はできませんか?」と聞いてみた。案の定、できないと言われてしまったので、「では、もう帰ります」と言ってその場を去って行った。

 このセミナーでは過去の会社の悪口や不平不満をしょっ中言いセミナーの雰囲気を乱してしまったが、そもそもグループディスカッション中心のカリキュラム自体に問題があった。私も含めて全ての受講生は、中高年向きの応募書類の書き方、面接を成功させるコツを学ぶ目的でセミナーに参加したのに、延々とディスカッションさせたり、スローガンを作らせたりするなんてとんでもない。肝心なことを教えてもらえなかった。チンタラチンタラとしたカリュキュラムだから、言いたい放題見境なく言う人が出てくるのだと思った。

 2日以上、終日同じ顔を合わせるような場では必ず1人や2人饒舌な人が出てくるものである。だから、何かとトラブルが起きてしまう。

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